▼筋肉信仰について
「マッシヴ様」の世界で一番ポピュラーな信仰。
筋肉の神を崇めているが唯一神という扱いではない(八百万の神の中の一柱という認識)
信仰の深さは地域による。
大抵文化と一体化しているため、信者でなくとも日常に組み込まれていることも多い。
この信仰を主軸に据えた宗教がいくつか存在する。
初めに伊織たちが住んでいたベタ村ではかなり根強い信仰であり、崇め方も半端なかった。
『筋肉は選ばれし者の聖衣である』
という考え方があり、信者だからといって筋肉をつけて皆ムキムキになろう!という思考にはなりにくい(これも地域による)
(ベレリヤのミラオリオでは一般人がムキムキだとその本人が「使命があるわけでもないのに神聖な筋肉を纏っていて恥ずかしい」という感覚だった)
なお聖職者はこの聖衣を着る(筋肉をつける)ことを良しとされているが、べつに信者や余所者がムキムキでも罰されることはない。
疑問に思われることはあれど冷たい目で見られることは皆無で、むしろ素晴らしい筋肉ですねと褒められる。
ベレリヤ国王都ラキノヴァでも広まっている信仰だが、王都周辺の人間は発育が良い人種が多いため地方の信仰より広く浅い様子(筋肉を崇めているというより自分自身の筋肉を大切にしている節がある)
子供を教育する際、文化として習う。
そのため若い頃から恵体だった静夏もあまり過剰には騒がれなかったが、そうはならんやろと思っていた者もいるとかいないとか。
大陸を跨ぐとこの信仰すら知らない国がごろごろ出てくる。
シァシァがいた東の国(晋藍国)ではまったく認知されていなかったが、随分前の話なので今は交易を通じて知識として一部地域にはある程度広まっているらしい。
馴染みの薄い人間の目にはそこそこ奇異に映ることも。
朝のラジオ体操に近い存在であるマッスル体操も筋肉信仰由来のもの。
無言のコミュニケーションの一種。
これに近いコミュニケーション(筋肉交流)の一つとして互いにポージングをして感情を伝え合う文化もある(第193話参照)
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■聖女について
その恵まれた筋肉だけでなく各地で魔獣を屠ってきたこと、処女懐胎したことから静夏は聖女マッシヴ様と呼ばれるようになった。
処女懐胎=聖女という発想は各文化に残る神様関連の逸話によく見られるテンプレートによるもの。
真相は定かではないが、転移者・転生者は特異な力で名を馳せることが多かったため、その人々から持ち込まれた発想が常態化した可能性がある。
静夏以前にこう呼ばれていた者がいるかは不明。
なお伊織が度々呼ばれているインナーマッシヴ様は言葉の意味とは異なり本来は筋肉とは関係のないものに用いられているが、静夏の呼び名を踏み台にしているものなので皆は特に気にはしていない。
ちなみに実際には筋肉の神より更に上位の神(世界そのものの神)により転生したため、筋肉のご加護があるわけではないのだが「世界そのものの神はいない」という考えが普通であるため、静夏本人は訂正していない様子。
なお、静夏は知らなかったが一時期師匠と呼んでいた人物が筋肉の神の受肉した姿だったので嘘でもない。